教員紹介

主要先進国のプルーデンス監督形成のドライバーを解明

2022年1月5日

 邉英治教授・Mikael Wendschlagウプサラ大学講師・Thibaud Giddeyオックスフォード大学研究員からなる研究グループは、銀行監督が公的制度化されるステージに焦点をあわせ、主要先進国のプルーデンス監督形成のドライバー(推進させるもの)を明らかにしました。

  1. 近年、ヨーロッパを中心に銀行業のプルーデンス監督(金融システムや金融機関の健全性・安定性を確保すること)のハーモナイゼーション(国際的整合化)が重要イシューとなっています。そもそも、銀行業の中核的機能は金融仲介で各国共通であるにもかかわらず、プルーデンス監督のあり方については各国バラバラです。そのため、なぜそのような違いが生じたのか、歴史的に検討する必要があります。
  2. 本研究では、先進8か国(アメリカ・日本・スウェーデン・ドイツ・スイス・ベルギー・フランス・イギリス)のプルーデンス監督形成のドライバーをそれぞれ史資料に基づき検討しました。そして、公的制度化のタイミングに違いが生じた要因として、社会経済化の進展など7つの要素を明らかにしました。
  3. 本研究成果は、国際共著書Formalization of Banking Supervision: 19th–20th Centuriesとして刊行いたしました。本書は、Swiss National Science Foundation(SNSF)からの助成金を受けており、オープンアクセスとなっています。

書誌情報

Hotori, E., Wendschlag, M., Giddey, T. (2022) Formalization of Banking Supervision: 19th–20th Centuries. London: Palgrave Macmillan.
ISBN: 978-981-16-6785-5
ダウンロード先URL: https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-16-6783-1新しいウィンドウが開きます
研究者情報
邉英治:研究者総覧新しいウィンドウが開きます