教員紹介
2021年6月15日
松永友有教授は、20世紀最大の経済学者ケインズが果たして自由貿易主義者であったのか、それとも保護主義者であったのか、という現在に至る論争に関して、新たな視点から整合的な解答を導き出しました。
有効需要の理論により、「ケインズ革命」と呼ばれるような経済学の一大革新を成し遂げたケインズは、その貿易政策論に関して、しばしば矛盾するような見解を示していたことがよく知られています。そうした矛盾をどのように解釈するか、ケインズ研究者は頭を悩ませてきました。
本研究では、ケインズの政治理念に着目することにより、この矛盾を整合的に理解できることを初めて明らかにしました。
本研究成果は、国際学術誌「History of European Ideas」(2021年3月)のオンライン版に掲載されました。また、経済学史の分野では我が国最大の学会誌である『経済学史研究』(2020年7月号)に掲載されました。