入試・入学
私は横浜国立大学の経済学部を卒業した後、そのまま修士課程、博士課程へと進みました。大学院における学びでは、政治経済学を中心として関連する分野の科目を履修しました。当時履修していた科目では、輪読形式で授業が進められることが多く、そこで扱われるテーマへの深い理解と専門書の読解についての技能を身につけることができたと思います。修了後に仕事を始めてしまうと、このようにじっくり学んでいく時間を確保することはなかなか難しく、貴重な時間であったと思います。
修士論文、博士論文では、指導教官である植村先生に紹介していただいた産業連関分析を用いた研究を行いました。各産業の動向を詳細に見ることができる産業連関表は、私の関心によく適合しており、これがその後の専門分野になりました。
修了後は内閣府経済社会総合研究所に勤務し、GDPの推計や産業連関表の推計に携わりました。経済学を学んだ者として、これらの仕事は非常にやりがいがありました。現在は大学の専任教員として勤務するとともに、政府の経済統計に関連する会議の委員などを務めています。
私が博士課程後期を修了してから10年以上が経過し、当時教えていただいた先生の多くが既に定年退官されていますが、教育・研究の環境は変わらず確保されているものと思います。国際社会科学研究科に新たに入学されるみなさんが、ご自身の資質を最大限発揮できるよう大学院生活を送られることを期待しております。
田原 慎二(Shinji Tahara)
大学院国際社会科学研究科(当時) 博士課程後期 グローバル経済専攻 博士(経済学)
2005年 横浜国立大学 経済学部卒業
2008年 横浜国立大学大学院国際社会科学研究科 博士課程前期 国際経済学専攻修了
2011年 横浜国立大学大学院国際社会科学研究科 博士課程後期 グローバル経済専攻修了
2013年 内閣府経済社会総合研究所 研究専門職
2017年 千葉商科大学 商経学部 専任講師
現在、千葉商科大学 商経学部 准教授
私は、社会人として40代になってから、本学の国際社会科学研究科(当時)のグローバル経済専攻(博士課程後期)で学びました。環境省で政策立案に携わる中で、政策と経済の関係についてより深く理解する必要を感じたためで、いわゆる国内留学の制度を活用しました。本学で学ぶことにしたのは、魅力を感じた理論と方法に精通する先生が本学におられたためです。
大学院では、期待通り、その先生の下で、制度マクロ経済学(レギュラシオン理論)について充実した学習と研究を行うことができました。少人数で丁寧にご指導いただいたこと、また、海外の著名な研究者と交流する機会をいただけたことも印象に残っています。加えて、産業連関分析、環境経済学、国民経済計算の応用、計量経済学などについて、それぞれご専門の先生から学び、自分の研究に活かしていくことができました。経済学の幅広い分野の専門家がおられて、その中から自分の問題意識に合わせて学ぶことができるのも、本学の魅力であると思います。
修了後は、本学で得た知識を活かしながら行政実務と研究に並行して取り組んだ後、研究があまりに面白くなったため、結局、研究教育の道に転進することになりました。現在は、東海大学政治経済学部経済学科の教授として、環境と経済の関係の研究に取り組み、充実した日々を過ごしています。このような道に進むことができたのも、本学で学習と研究を行えたおかげです。指導いただいた先生方に深く感謝しております。
大熊 一寛 Kazuhiro OKUMA
大学院国際社会科学研究科(当時) 博士課程後期 グローバル経済専攻 博士(経済学)
1990年 東京大学教養学部教養学科 卒業
1990年 環境省入省
2013年 横浜国立大学大学院国際社会科学研究科グローバル経済専攻 博士課程後期修了
2015年 東北大学公共政策大学院教授
2021年より 東海大学政治経済学部経済学科教授
在学中は数理統計学を学び、時系列の研究を取り組みました。博士課程進学を決意してから、専門知識とプログラミングスキルに関する個別指導を毎週受けることができました。このサポートは私のキャリアの礎となり、新たなスキルの習得に大いに役立ちました。
進学後は指導教員の推薦で非常勤講師としても活動しました。この経験は私の日本語スピーキングスキルを向上させ、学会発表や就職先でのコミュニケーションに大いに役立ちました。
論文執筆に関しても順調に進める仕組みが整備されていました。中間審査という年間報告をする仕組みがあり、定期的な報告とフィードバックのおかげで、順調に論文の内容を進展させることができ、学術的な質も向上させることができました。
博士課程修了後、人材会社に就職し、データ分析の職に就きました。データ分析は統計学、プログラミング、機械学習などさまざまなスキルが要求される分野で、新人にとっては難しい挑戦でした。しかし、学生時代に積み重ねた数理解析の知識とプログラミング経験は、、私にとって強力な武器となり、職場で新しいスキルを習得する際に大いに助けになりました。今、データ分析の世界で自信を持って歩んでおり、大学院での学びと経験が今後の成功に欠かせない要素であることを自覚しています。
唐 越之(とう えつし)
大学院国際社会科学府 経済学専攻 博士課程後期 博士(経済学)
永井ゼミナール出身
2019年 横浜国立大学大学院国際社会学府経済学専攻博士課程前期 修了
2023年 横浜国立大学大学院国際社会学府経済学専攻博士課程後期 修了